拝啓 セミ様
猛暑猛々しい昨今ですがいかがお過ごしでしょうか。
数年間に渡る地中でのお勤めご苦労様でした。雨の日も風の日も耐え続けた、貴方の頑張りに頭の上がらない思いを心中に抱えております。
さて、実は私あなたさまにお願いがあって筆を取った次第でございます。
一人間の分際で、セミ様にお願いなど失礼極まりない事と承知しておりますが、どうかお聞きいただけると幸いでございます。
ひとつ、少し声が大きいのではないでしょうか
私は大の虫嫌いでございまして、存在が確認できるだけでビクビクする小心者でございます。それが昨今ほどの大きい声を出されてしまうと、どうしても木のない方を通ろうとするあまり、出勤が遅れてしまう事態となってしまいます。何卒お静かに、かつひっそりと過ごしてみては如何でしょう。
ひとつ、ヴィジュアルが怖いです
ただでさえ苦手な虫ですから、見た目が怖いなんてことはあってはなりません。
本体も非常に虫感が強く、観るに耐え難いものですが、抜け殻でさえ恐ろしく、これ虫やなくて妖怪やん。。と思わざるをえません。
「セミ かわいい イラスト」
でグーグル様にお伺いを立てたところ、上記のイラストが出てまいりました。グーグル様でさえ、この程度にしかかわいくできない始末。私の手に負えません。
ひとつ、最後の力を振り絞ってウチのベランダに来ないでください
地上に出て1週間という命。生命の最後の瞬間を華々しく飾るためにこの1週間大変尽力されたことでしょう。
きっと地中では味わえないたくさんの経験をなさったと思いますが、なぜそのフィナーレにうちのベランダを選ばれたのでしょうか?うちのベランダは何ひとつ面白いものはなく、でかすぎる室外機に人間の私でもできれば居たくないと思う、そんな場所をなぜ最後の地として選んだのか。学のない私には到底わかることはないのでしょう。
さて、多々言いたいことを言わせていただきましたが、これでもほんの一部を抜粋してお伝えさせていただいております。
あなた様に少しでも慈愛の気持ちがございましたら、是非とも胸に留めていただき、このようなことがないようお努めいただければと思います。
暑い日が続きますが、1週間の間、お体にお気を付けください。
愛島健司
ミンミン
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